○ 7月20日(水)) 晴 午前9時、朝里川温泉郷のかんぽの宿(朝里荘)をチェックアウトして記念写真撮るために表に出る。 一人でタクシーを待っているおじいさんが「写真撮りましょうか?」と声をかけてくれた。 そのあと定山渓レークラインを走りながら、和さんがそのおじいさんの話しをしてくれた。 おじいさんは連泊の予定をかなり早めて家に帰るらしい。 フロントでチェックアウトしていた和さんの横で 「おや、○○さんお早いですねえ、もうお帰りですか?」と聞かれて 「一人の旅は飽きてしまうのでだめだなあ やっぱり連れがいなくちゃなあ もう帰るよ」 と答えていたという。 奥さんを亡くして一人で旅行しているらしい。 今度の旅行も金さん&和さんは夫婦で旅行している。 夫婦の旅行をいつまでも続けたいものだと思った。 おじいさんがカメラを返すとき「わたし八十歳なんですよ」とポツリと言った。
このかんぽの宿(朝里荘)も経営が楽ではないらしい。利用者を増やそうといろいろプランを作っている。 そのためか、昨日金さん&和さんが着いたときも、今朝チェックアウトしているときも、熟年の利用者が目についた。 ※かんぽの宿(朝里荘)でやっているプラン(朝里荘のホームページより引用) ○定山渓レークラインをドライブ 和さんが、かんぽの宿(朝里荘)のフロントで聞いたところでは、 朝里荘の前を道なりに行くのが道道小樽定山渓線(定山渓レークライン)で、定山渓温泉を通って 札幌に行けるという。 今日の予定は、夕方「札幌サンプラザ」で先輩にお会いする約束があるだけである。 北海道の原野を道道でゆっくりドアイブを楽しんでいこう。 ※北海道では、県道や都道に当たるのが「道道」と呼ばれる。 朝里温泉から少し走ると朝里ループ橋が見える。 このループ橋は雄大なので一度は見ておきたい。 定山渓レークラインは白樺も多くあり北海道らしい景色が見られる。 道の両側に矢印(↓)が頻繁に下がっているので、和さんと「何の印だろうね」と疑問に思ったので、夜 「札幌サンプラザ」でお会いしたAさんに聞くと「あれは積雪が多いときに道幅がわからなくなるので「路肩注意」の標識だよ」教えてくれた。雪の多い地方だけの知恵だろうと思った。
○「羊ヶ丘展望台」で遊ぶ 定山渓レークラインから札幌国際スキー場の側を通り、定山渓温泉の温泉街を走ってみる。夏の午前中のためか人は多くない。金さんが車椅子の生活という不自由な身体でないなら、日帰り入浴でも利用したいところだが残念である。
※羊ヶ丘展望台公式ホームページ:http://www.sta.or.jp/hitsujigaoka/ ○不便だった「札幌サンプラザ」の「身体障害者用ツイン」の部屋 「札幌サンプラザ」に午後3時頃到着し、予約していた「身体障害者用ツイン」の部屋に入った。 「身体障害者用ツイン」の部屋は車椅子の移動に便利にできている。ただ、身体障害者用の風呂は、金さんのように脳出血の後遺症で障害者になった者には利用が著しく不便だった。 もしかすると、脊椎損傷の方の利用を想定して作られたのかも知れない(?)が、浴槽が高い位置にあるため、金さんには決死の覚悟がないと利用できない。 また、風呂の横にあるトイレも。風呂が邪魔をして手すりの位置が後ろ過ぎるので、和さんに手伝ってもらわないと金さん一人では使えなかった。 ここでは、むしろ、ツインの洋室を取れば良かったと思う。
金さん&和さんとも、 「札幌サンプラザ」にいるときは、ツインの洋室に変えてもらうことを全く思いつかず、苦労して入浴しトイレも使った。 障害者にはいろいろな障害者がいる。障害者ルームを設計するときには、そのこと深く配慮して設計してほしい。 また、すでに建っている建物の障害者ルームを管理する人は、障害者ルームを予約する利用者が自分の障害でも使えるかどうかを確認するぐらいのサービス精神が欲しいと思う。 ○先輩が来てくれた! 5時頃フロントから「お客様がお見えです」と電話がかかってきた。 入浴して少し休んだところなので調子はいい。 和さんとエレベーターで一階に下りるとAさんがにこにこして待っていた。久しぶりの再会である。 がっちり握手して再会を喜んだ。 金さんが車椅子のため、一階にあるレストランで、しばし、つもる話しに花がさいた。 Aさんも奥さんも札幌出身なので、リタイア後の生活を相談して親せきや知人のいるこの地に帰ってきたらしい。 北海道旅行の予定を聞かれたので、 「明日は富良野にでも行ってみようと思うんですが」というと 「今年はラベンダーの咲くのが遅れているので見頃かも知れない」 そして、富良野でAさんが好きなところ、良いところを幾つか教えてくれた。 「後藤純男美術館」もその一つである。 時間を忘れて話しているといつの間にか七時を過ぎてしまった。 名残を惜しみながら、「お互い健康に注意しよう!」とAさんは帰って行った。 |
『熟年夫婦の田園生活』 | 『車椅子の視線から』 |