かんぽの宿 恵那

 
  2011年 今年千年に一度という誰も経験したことのない東日本大震災が起こった。3月11日の大震災と大津波に続いて発生した東京電力の福島の原発事故、福島原発の近隣住民の避難騒ぎが未だに続いている。あれ以来、人々の暮らしがなんとなく落ち着かなくなったように思う。
 関東の埼玉県で暮らす金さん&和さんの生活も、大震災や原発事故の問題と無縁ではなく大きく変わった。先ず、例年何回か出かけている旅行に出かけなくなった。このところ続いていた春のお花見ドライブ旅行も今年は取りやめた。結局、今年は9月までに一度も旅行に出かけていない。
 相変わらず続いている東日本巨大地震の余震や福島の原発事故の後始末がまだ収束しないなど、いろいろあって、気持ちが落ち着かないうちは「旅行に行こうよ!」という気持ちになれなかったのだ。
 そんな金さん&和さんだったが、10月になってようやく重い腰をあげることにした。


○ かんぽの宿 恵那へ  10月19日水) 曇後晴

 和さんの運転で埼玉の家を午前7時半頃に出発し、桶川北本ICから圏央道(首都圏中央連絡自動車道)に入る。途中狭山PAでトイレ休憩して、八王子JCTから中央自動車道に入った。昨年の奈良井宿行きの時と違い、今年は途中の渋滞もなくスムースに進行したのが嬉しい。ただ、天気予報では「曇っている天気も山梨県に入ると晴れる」と予報されていたのにいつまでも晴れずに曇り空であった。それでも長野県に入る頃ようやく陽が当たってきたのでホッとした。
 諏訪湖サービスエリアでトイレ休憩して、諏訪湖を見ながら金さん&和さんでざる蕎麦で軽い食事も済ませる。ここで午後一時少し前だったので、金さん&和さんでもう一度この日の予定を相談した。(写真は諏訪湖サービスエリアで)
 「かんぽの宿 恵那」に午後3時頃に到着するには、途中で馬籠宿に寄る余裕があるかどうか?が検討課題だった。「中央自動車道をまっすぐ行くにしても、馬籠宿に寄るには中津川ICで下りてから「馬籠宿−かんぽの宿 恵那」の往復に一時間以上かかりそうである。それでは馬籠宿見学の時間が取れない。それより、今日は「かんぽの宿 恵那」に早めに着いて、ゆっくり家族風呂に入ろう!」と金さん&和さんの意見が一致した。
 金さんは車椅子の障害者である。本人はもとより、運転手で付き添いの和さんも年齢的に無理は禁物である。疲労がたまると次の日に影響がでるので、宿にはなるべく早め(3時〜4時)に入りたい。高齢になるとそういう気持ち一層強くなるのである。
 中津川ICで下りてから国道19号線の道路工事もあったりして、結局かんぽの宿 恵那には午後3時過ぎになった。
 
 「かんぽの宿 恵那」は岐阜県恵那市の景勝地恵那峡を眼下に望む高台にある。
 以前に和さんが、かんぽの宿のホームページ で家族風呂のあるドライブ旅行で行けるところをピックアップしていて探して、行きたいところに加えた所である。
 今回実際に利用してみると予想通りだった。 
 先ず眺望が良い。
 どの部屋からも恵那峡の景観が見えるように設計されているというのも良い。
 紅葉には少し早かったようだが、紅葉の時季は一段と素晴らしいに違いない。眼下に見えるダム湖に浮かぶジェット船の発着所も宿から近い。
 客室、ロビー、喫茶室など、どこからでも恵那峡のの眺めが堪能できるのも良い。

(写真上−部屋から見た恵那峡)
(写真右−貸切の家族風呂)
(写真下−バリアフリー対応の洋室)※クリックしてみてください。

 予約した部屋は、バリアフリー対応の洋室の客室である。このかんぽの宿には、洋室が18室(身障者対応客室2室)と和室が36室もある。
温泉は恵那峡の源泉を利用していて、 大浴場、露天風呂、家族風呂(内風呂2室と露天風呂1室がある。貸切の家族風呂は、利用料金が通常50分2100円であるが、身体障害者手帳を提示することで無料で利用できる。
予約した部屋は、バリアフリーの客室で思ったよりも広く、車椅子でも動きやすかった。ただ、金さんは車椅子とベットの移動に楽なように、家ではベッドに手すりを付けているが、ここのベッドには手すりが付いていない。それでは不便なので、和さんにフロントに電話してもらい手すりを借りたので、乗り移りなどが楽だった。
 早めに宿に着いたので、一時間ほどベッドで休憩してから予約していた家族風呂に入った。家族風呂は50分なのでゆっくり使えた。

 ここで、金さん&和さんが夕食に選んだのは、「松茸会席プラン」である。今年初めての松茸だった。
 朝食はバイキングだった。
 朝食のバイキングで、トマトジュースや牛乳、コーヒー、コーンのスープも自由に選べるので、パンを食べる金さんには嬉しかった。ご飯を食べた和さんは普通のご飯を食べていたが、おかゆも選べたようだ。
 料金は一人¥14,000円である。夕食時のグラスワインは一杯¥525円だった。

(写真右上−朝、部屋から見た恵那峡)


 馬籠宿


熟年夫婦の田園生活 車椅子の視線から