車椅子で善光寺参り

 

日目(10月21日金) 晴

○ 車椅子で善光寺参り

 岐阜県の「かんぽの宿 恵那」で一泊し、木曽の馬籠宿・妻籠宿を散策した金さん&和さんの二泊目は長野県松本市の浅間温泉にある公共の宿「みやま荘」だった。嬉しいことに、この公共の宿には車椅子で利用が可能なバリアフリーの部屋がある。和さんがインターネットで見つけて予約してくれた。
 ただ、一つ残念だったのは家族風呂がないことである。そのため車椅子の金さんは温泉に入れなかった。しかし、それでも金さんは満足している。それは、和さんが温泉でいろんな人と話ができて良かったと喜んでいたからである。

(写真右は「みやま荘」)

 翌21日の朝、金さん&和さんは安曇野市の知人宅を訪ねてから国道19号で信州新町に向かった。(安曇野はNHKの連続テレビ小説「おひさま」の舞台になったところである。)ここも紅葉には少し早いが犀川沿いに走る信州の景色はなぜかノンビリしていて懐かしい。

 午前中に信州新町に着いたので、金さんの故郷にある甥のログハウスに荷物を下ろし、興禅寺ある実家の墓参りを済ませた。お昼は信州新町のジンギスカン街道にある「レストランむさしや(026-262-2822)」で済ませる。この店はバリアフリーになっており車椅子で利用できるトイレがあるので嬉しい。

 昼食を済ませてから、久しぶりに長野市内の善光寺にお参りに行った。ナビの指示通り国道19号から長野市の市街地に入り、善光寺の北側の駐車場に着いた。駐車料金は2時間で500円ある。平日だったためか空いていた。駐車場にある車椅子用のトイレに寄ってから善光寺の広い境内に入る。
 寺院や神社は砂利道や石段が多い。車椅子でのお参りは心配だった。しかし、善光寺は境内の通路が石畳などで舗装されていたし、参道の傾斜も比較的ゆるやかだった。また、本堂の東側には木製のスロープが整備されているので、本堂内の「外陣」まで車椅子のままで入ってお参りできた。
 インターネットで調べるまで知らなかったが、善光寺は無宗派の単立寺院で、天台宗の「大勧進」と浄土宗の「大本願」が管理していると言う。広大な境内に天台宗の「大勧進」と25院、浄土宗の「大本願」と14坊があるというのに驚かされる。
 「大勧進」の住職は「貫主」と呼ばれ、天台宗の名刹から推挙された僧侶が務めているそうである。また、「大本願」は、大寺院としては珍しい尼寺である。住職は「善光寺上人」と呼ばれ代々公家出身者から住職を迎えているという。こうして善光寺の住職は、「大勧進貫主」と「大本願上人」の両名が務めると言う。
 2011年は、何百年に一度という「東日本大震災」があり、日本中の誰もが落ち着かない年だった。
 そういう年に、金さん&和さんが日本において仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であるという善光寺にお参りできたのは良かったと思う。

 善光寺の散策の途中で、仁王門から石畳を南へ行き善光寺の外の中央通りへ出てみた。
 中央通りは、善光寺から長野駅へ真っ直ぐ続いている。
 善光寺の仲見世通りには、仏具店、土産店、飲食店などが軒を連ねているが、
 金さん&和さんは中央通りへ出てすぐの 「竹風堂」というお店に入った。
 そこは信州小布施の栗菓子の店で、一階に土産を並べ、二階でお茶が出来る店だった。
 金さん&和さんはエレベーターで二階に上りしばらく歓談した。
 金さんが、長野市に住んでいたのは50年も昔のことである。善光寺の印象はそう変わらなかったが、長野市が大きく変わったのは当然のことかも知れない。

(上の写真は竹風堂)


(善光寺散策の写真、車椅子でも大丈夫)

     
 仁王門   石畳と仲見世  山門(三門) 
     
 六地蔵 駐車場へ   休憩所 
     
本堂東側スロープ(木製)  本堂東側スロープ
 車椅子・乳母車など通りやすい通路

 善光寺の境内では車椅子の人も大勢見かけた。
 これからも車椅子の人や高齢者などが気軽にお参りできる善光寺であってほしい。


※ 善光寺公式ウェブサイト トップページ:http://www.zenkoji.jp/index2.html




熟年夫婦の田園生活 車椅子の視線から