○ 車椅子で中尊寺散策
天気予報は当たる場合も外れる場合もあるから面白いですね。
酒田での予報では山形から岩手の内陸にかけては雨模様でした。
それが岩手県の古川ICから東北自動車道に入る頃には
晴れて陽がさしてきたのです。
平泉前沢ICで高速を出て中尊寺に向かう金さん&和さんは
嬉しくなりました。
中尊寺は初めてです。
車椅子で散策するので、駐車場の係員に訊いて、
金色堂に出来るだけ近い所を教えてもらいました。
「金色堂が車椅子で見られるか否か?」は、大問題ですから、
和さんが旅行前に電話で確認していたのです。
教えてもらった「坂の上駐車場」に自動車を停めて、杉の大木などがある坂道を上ったところに
金色堂拝観券発行所がありました。
この辺りは紅葉がじつに美しいです。
※ 駐車料金:普通車500円
※ 拝観券は:大人800円、(障害者手帳を提示して料金が半額)
入り口の所でデジカメで記念写真を撮ってもらいました。(上の写真)
車椅子の入り口から入ると、金色堂までスロープが完備していました。
金色堂の中は撮影禁止です。しかし、ルールを無視する人が何処にでもいるものですね。
ここにも、携帯電話機で撮影している人がいました。じつに悲しいことです。
金色堂、旧覆堂などを回って讃衡蔵を見て、最後にトイレに寄って
「残疾人専用」という表示があるのでびっくりしました。
今までに見たことのない表示板です。
家に帰ってからインターネットで調べると出ていました。
※ 中華人民共和国残疾人保障法(ちゅうかじんみんきょうわこく ざんしつじんほしょうほう、
「残疾」は障害をいう) は、中国で1990年12月28日に主席令第36号として公布された
障害者に関する法律。)
だそうです。
と、すると、このトイレの表示板は、中国人観光客向けの表示ということでしょうか?
車椅子での中尊寺散策には、坂道があるので介護者の援助が必要だと思いました。
金さんの場合は、介護保険で電動車椅子をレンタルしているのでわりあいに楽でしたが。
なお、江戸時代の俳人松尾芭蕉が門弟の曾良を伴い「奥の細道」の旅の途中で寄ったときの
平泉で詠んだ句として
夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡
五月雨の降のこしてや光堂
が知られています。中尊寺には芭蕉の句と像もあります。ただ、芭蕉が訪れたのは江戸時代です。
現在のように整備されている中尊寺ではなかったので、芭蕉は何を感じ何を思ったのでしょうか?
まだ、武士のいる時代です・・・。
今回、中尊寺を車椅子で散策して、奥州藤原氏の栄華を思い・・・、
芭蕉の「奥の細道」に思いを馳せて、実に感慨深いものがありました。
2011年6月に平泉の文化遺産がユネスコの世界遺産に登録されたことは喜ばしいことです。
しかし、東日本大震災からの復興が東北地方で遅れている現状をみるとき
喜んでばかりもいられないと思いました。
さて、次は毛越寺です。
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