講演のために車椅子で大阪へ



二日目
(2008.12.14日曜日−講演当日)曇後晴

    ○ 朝の散策

朝起きると少し雲があるが予報通り晴れそうである。
和さんが入れてくれたお茶を飲んでから二人で新歌舞伎座の建物を見たり、なんばシティの中を車椅子で散策することにした。新歌舞伎座では、12月21日(日)まで「神野美伽特別公演」が行われていたが、新歌舞伎座も来年の六月でなくなってしまうらしい。

ありがとう難波
 そして上本町へ

の垂れ幕が新歌舞伎座に下がっていた。

○ 講演

11時30分過ぎに6階のホテルフロントでチェックアウトして、待っていると予定の時間に西口さんが迎えに来た。車には「放出ふれあいセンター」の名前が見える。そこから講演会の会場、関西医療学園専門学校(大阪市住吉区苅田)に向かう途中いろいろ話をした。
その中で「放出ふれあいセンター」の読み方の話題があった。「放出」は「はなてん」と読むという。駅名に「はなてんえき」があるので、大阪では当たり前の読み方らしいが、他の土地の人には正確に読める人は少ないだろうと思う。金さんも教えてもらうまで「ほうしゅつ」と読んでいた(笑い)。
金さんの故郷長野県にも地元の人にしか読めない地名が多い。故郷に自動車で帰るとき標識の読み方が金さん&和さんでいつも話題になる。

講演会の会場である関西医療学園専門学校の入り口に大勢の人が待っていた。
車から降りて車椅子に乗りスロープを使って校内入る。案内された控え室で理学療法部会の役員さんと名刺を交換してしばらく待機した。午後一時頃、講演会場に案内される。

講演会は予定通り午後一時頃から始まった。
金さんがパワーポイントで作ったスライドの内容は、「車椅子の生活・・・金さん流・・・」とした。


52歳の時、二回目の脳出血の後遺症で車椅子の生活になった金さん。脳卒中関連の病歴や入院歴を紹介、その間のリハビリ歴と車椅子の生活になることをどうやって受容したか?などをスライドで説明した。

金さんの場合、
@東京都リハビリテーション病院に入院したこと
A入院中に日本でウィンドウズ95パソコンが発売されたこと
B担当の理学療法士が良き理解者だったこと
C退院後自宅用にウィンドウズ95パソコンを購入したこと
D家族と友人の支援があり、車椅子で復職が実現したこと
など、受容には幾つかの幸運も後押ししてくれたこともスライドを使って話した。 

話している途中で喉が渇くのでマイッタ。普段長い時間緊張して話す機会が少ないので無理もない。
車椅子の生活になることをどのように受け入れたかを、話ながらテーブルに置いてある水を飲んだが、手が震えて少しこぼれた。しかし、これは家でもよくあることなので仕方がない。
金さんの講演が終わって、介護者である妻の和さんがテーブルに加わり、質疑応答が始まる。
「車椅子の生活になって何が一番困りましたか?」という質問に、「根が楽天家なので特に困ったことはありません」と金さんが答えたらしいが、
和さんが後で、「本当は言語障害でうまくしゃべれなくなったことじゃないの」と、感想を言った。なるほど、金さんの答えは的を外れていたか?と、反省。

講演で、主催者の意図した、「リハビリを受ける側の視点から」が、意図どおりに伝わったか少し疑問も残る。しかし、理学療法士(PT)という、リハビリテーションの専門家の人たちに、「車椅子の生活−金さん流−」という、金さんが伝えたかった生き方と、金さん&和さん夫婦の、苦労の中に喜びを見つけつつ生きてきた15年が、うまく伝わっていれば幸いである。


○ クロちゃんと6年ぶりの再開

講演終了後、金さんのインターネットの友人クロちゃんとの待ち合わせ場所天王寺駅まで送ってもらった。
近鉄あべの駅でクロちゃんの息子さんが待っていて、クロちゃんが近鉄百貨店4Fにあるティーサロンで待っているといって案内してくれた。
こんなとき、クロちゃんのことも知っている敬くんが一緒なのが心強い。

4Fの「マイセンティーサロン」でクロちゃんとがっちり握手して再開を喜び合う。
ここで、しばらく歓談して旧交を温めた。
金さんとクロちゃんとの出会いは、「金さんのホームページ学院」にクロちゃんが入学した時に始まる。メールでホームページの作り方をやりとりして、クロちゃんも自分のホームページを持つようになった。そして、6年前には車椅子で東京にやってきたクロちゃん夫婦と、東京浅草でのオフ会で会い楽しいひとときを過ごす。その時以来の再開だった。金さんもクロちゃんも感激した。・・嬉しかった。

クロちゃん夫婦と金さん&和さん、敬くんで、あべのの
2008 イルミネーションゲートに行ってみた。
人混みがすごかったが、都市に住んでいるクロちゃん夫婦は慣れているのでスイスイと進んだが、田舎暮らしの金さん&和さんはついていくのがやっとやっとだった。後日になってから、和さんが「あの時はイソップ童話の「都会のねずみと田舎の ねずみ」を思い出したわ」と笑っていった。

※ クロちゃんのホームページ

 ギラン・バレー症候群を患って

クロちゃん、お世話になりありがとうございました。


クロちゃん夫婦と別れて、金さん夫婦と敬くんは、タクシーで二泊目の宿のラフォーレ新大阪 ホテルに向かった。このホテルは新大阪駅に近いので、明日の月曜日和さん一人でも安心である。

ホテル一階のレストラン
で三人で夕食をとった。明日は月曜日敬くんは出勤である。年末の忙しい週末に、金さん&和さんのために付き合ってもらい嬉しかった。
敬くんお世話になりありがとうございました。



 


熟年夫婦の田園生活 車椅子の視線から