○第3日(9月12日) 午前・雨 午後・雨  〔越中庄川峡「かんぽの宿」→相倉の合掌造り集落→山田村情報センター〕

□ 三日目も雨が降っている。 9:30過ぎ越中庄川峡「かんぽの宿」をでて、相倉の合掌造り集落に向かう。

 東海地方の集中豪雨で岐阜県への道路は通行止めだった。

 だが相倉までなら行けるとかんぽの宿のフロントで聞いていたので、とにかく行けるところまで行ってみようと妻と相談して決める。

 知らない土地で対向車が全然走っていない山峡の道を車椅子の身障者を乗せて走るのは不安でないのであろうか? 

 こういう時の「女」は強いと思う!! 私の心の隅にあるかすかな不安をよそに運転する妻は平気のようだった。

相倉合掌造り集落への途中はこういう隧道が多い。対向車は全くいない。

相倉合掌造り集落、この「世界遺産」は、他と違い現に人が暮らしているところが凄いと妻が言う。

集落は自動車通行止め、雨で人が少ない。

集落の入口が有料の駐車場、見えるのは土産屋。
駐車場の係りのお兄さんに「車椅子なのでここで写真だけ撮って帰ります」というと「ああ、じゃあ料金はいいですよ」と言ってくれた。


□ 相倉の合掌造り集落を見た後砺波に引き返して山田村に向かう。途中でお昼を食べていくことにする。

  砺波ロイヤルホテルの看板を見つけて軽食をとった。

 

富山国体の泊まり客が多いのだろう。11県の旗が入口に見えた。

国体も最終日でお昼の客は私たちの他誰もいなかった。ホテルのコーヒーはさすがに美味しい。

食後の休憩
食後ホテルで

 砺波ロイヤルホテルはまだ新しい。富山国体でも終わったら宿泊客の確保は大丈夫だろうか?と、要らぬ心配をする。

  まち外れの素敵な所だが今後の経営が気にかかる。

※ いうまでもないが、身障者用のお手洗いがホテルの一階にも設置されていたので利用した。

 旅行先でこういうホテルをちょっと利用するのは車椅子生活者には便利である。


□ 富山県山田村情報センター見学 13:30〜14:30


※ 山田村情報センター見学はこの旅行の最大の目的であった。

 日本一パソコン普及率が高い村、情報化の先端を走る村、どんな村だろうか?

 インターネットを始めてから私はホーム・ページで山田村を知りぜひ一度行ってみたいと思っていた。

 そして山田村の「住民を元気にする秘密」それが何かを自分の目で見つけたいと思った。

 その私の希望が叶えられる日がやってきた。今度の旅行である。

 幸い山田村には荒屋さん、山崎さんというインターネットの友人が二人住んでいる。

 昨年のNHKテレビ「生活ホットモーニング」で「男たちの復帰」が放映されて以来の友人である。

 春のメール交換で二人から「ぜひ いらっしゃい!」と嬉しいメールが届いていたので、

 今度の旅行では、泊まる宿と山田村情報センターだけの予約を入れて気ままな旅にでたのである。

 情報センターに着くと山崎さんが雨の中、車まで迎えにでてくれた。

 実際にお会いするのははじめてなのに、そんな気がぜんぜんしない。

 メールの交換をたびたびして、お互いのホーム・ページではお目にかかっていたからだろうか?

 (※インターネットの友人で実際にお会いしたのはまだ20人もいないが、会うとみなすぐに十年来の友人

  のようになるのは不思議である。)

 情報センターは三階建てで中央公民館と併設されていた。

 ここには山田村で唯一のエレベーターがあり(説明で知った)、身障者や高齢者が三階の情報研修室や講義室、

 二階の開放オフィスに行けるようになっていた。

 
講義室
情報研修室

開放オフィス、壁には小中学生の作品が展示されていた。

数々のマスコミで山田村が取り上げられた記事が展示されていた。

 □  情報センターを見学しておぼろげな山田村の情報化を実感することができた。けれども、それは情報化の拠点施設を見たに過ぎない。

  パソコンがやってきて村民と村がどう変わったのか?まではわからなかった。

 □ その夜泊まった村営の「ふれあいの里「ささみね」」 で貴重な本を2冊買ってきた。

  「山田村の行進曲はインターネット(※¥1600)」と「やる気がつくる電脳社会(※¥1900)」である。

  どちらも著者は山田村に住む倉田勇雄さんである。(※発行所は株式会社くまざさ社)

  この本の中に「私たち村民は、パソコンが使えるようになったことよりも、パソコンがきっかけで起こり始めた意識変化の方が大切だと気づき

  始めています。」という一節がある。三億六千万(※国の補助金一億円)を、村民が智恵を絞って村民のために使った情報化事業、パソコンが

  起爆剤になって山田村がより活性化し、村民にとってさらに住みやすい村として発展することを祈らずにはいられない。

 □ 山田村は、富山市内まで車で3,40分という通勤圏にある。 牛岳温泉スキー場もある自然がいっぱいの素晴らしい所である。 

  過疎化と高齢化という課題にインターネットによる村民の意識革命で取り組んでいる村、この村に来ることができて本当に良かったと思う。


 □山田村・ささみね・・この日は「ささみね」に宿泊した。
  あいにくの雨でまわりの景色はよく見えなかった。

   

(山田村ホーム・ページよりお借りしました。)

※ ふれあいの里「ささみね」は、自炊を基本としたセルフサービス方式の滞在型宿泊施設です。隣接する牛岳温泉健康センターとは渡り廊下で結ばれており、温泉湯治場としてご利用していただけるほか、牛岳温泉スキー場や山田村交流促進センターなどの周辺施設と連携した、健康づくりの拠点としてもお気軽にご利用いただけます。 

・・・山田村ホーム・ページより・・・

入口近くに身障者用のお手洗いがあるのでここを利用した。

バリアフリーの部屋がなかったので、ベッドのある洋間を予約してもらっていた。

・・・山田村ホーム・ページより・・・

夕飯はフロントの横にあるラウンジのいろり風のテーブルに用意されていた。

翌日の朝食は健康センターへ食べに行く。廊下や階段には手すりがついている。

翌朝は待望の晴。ささみねのベランダから山を見ると霧がみるみる晴れていくのが見える。山田村は自然がいっぱいの素晴らしい所である。

朝食は渡り廊下で結ばれている「牛岳温泉健康センター内レストラン」で食べた。泊まり客が2部屋だけだったのでゆったりしていた。残念だったのはレストランが階段を下りた所にあることである。2ヶ所ある階段の1ヶ所がスロープななっていると身障者や高齢者はありがたいと思う。(※ここの職員は親切だった。車椅子に載ったまま階段を3人で移動してくれた。)

「ささみね」入口で

□ この日の夕方荒屋さんが国体を終わってから、雨の中を国体会場がある高岡市から「ささみね」に会いに来てくれた。

 やはりお会いするのははじめてであるがそんな気がぜんぜんしない。つもる話を一時間ほどして家に帰っていった。

 「富山国体」の最終日というお忙しい中を会いに来てくれて本当に嬉しかった。

□ 夕飯を食べて少し休んでいると今度は山崎さんが6年生の三男を連れて昼間に続いて話に来てくれた。

 インターネットという便利な道具が、知らない土地の知らない人を友達にしてくれる。

 二度の脳出血の後遺症で車椅子生活になったが、インターネットを使うようになって本当に良かったと思う。

 山崎さん、荒屋さん、お忙しいのに本当にありがとうございました。


牛岳温泉健康センター

(ささみねに隣接)

牛岳温泉健康センター

 

牛岳の麓に富山平野が一望できる温泉ができました

眺めもよくって空気もおいしい

そんな温泉に首の上までたっぷり漬かれば

下界の疲れなんてふっとんでしまう

大自然に囲まれて、ゆったりあなたもすべすべ美人!

 

静けさと景色の良さが自慢。館内には、風雅な琴の音が流れている。

浴場は、明るいクアハウス風。

泉質は、ナトリウムとカルシウム塩化物泉で、神経痛、消化器病などに効果がある。

・・・山田村ホーム・ページより・・・