あこがれの尾瀬
上高地と尾瀬は、信州生まれの金さんにとって若い頃からあこがれの地でした。若い頃には健康に自信を持っていたので、「いつでも行ける」という思いから行かないでいるうちにいつの間にか自分が車椅子の生活になっていました。あこがれの地はどちらも平坦でない高地にあるので、「車椅子ではあきらめるしかないか」と、ほぼあきらめかけていた2006年に、インターネットの友人のスーさん夫妻のご協力をいただいて、上高地へ行くことができました。
「次は尾瀬」と目標を切り替えて(?)、インターネットで資料を集めていたところ、「尾瀬の登山口に大清水湿原があること、そこには車椅子で湿原を観察できる木道が敷かれていること」がわかりました。
「これだ 大清水湿原に行ってみよう!」と金さんの心は勇みましたね。
大清水湿原の情報を更に調べると、2万株あるミズバショウの見頃は4月から5月にかけての大型連休頃らしいことがわかり、がっかりしました。というのは、今年はその頃に下田に息子と一緒にドライブ旅行を計画していたからです。息子が楽しみにしている旅行は変更せきません。
そういうわけで、大清水湿原へのドライブ旅行が6月にずれ込んでしまいました。
大清水湿原へのドライブ旅行の日程は、梅雨入り前のお天気の日をねらって、6月11日(月)、6月12日(火)に決めました。問題はどこに泊まるか?です。尾瀬の登山口に旅館はたくさんありますが、バリアフリーの宿は見あたりません。洋室があると金さんの場合何とか泊まれるのですが、尾瀬は団体客が多いのか殆どが和室でした。それと、天気予報を見て直前に旅行日を決めたので、数少ない洋室は空いていません。そこで、思い切ってホテルジャパン日光に泊まり翌日大清水湿原に向かうことにしました。
今までに和さんは尾瀬に二回行ったことがありますが、金さんは行ったことがありません。尾瀬の素晴らしさは金さんも知っているので、何故若いうちに機会を作らなかったのかが悔やまれます。車椅子の生活になってしまった今となっては、尾瀬ヶ原で1,400m、尾瀬沼で約1,660mのところにある尾瀬を車椅子で走破するのはあきらめるよりないでしょう。そういうわけで、せめて、尾瀬で有名なミズバショウが車椅子で見られるという大清水湿原に行ってみることにしたのです。
6月にずれ込んだので、今回は例えミズバショウが見られなくとも、「大清水湿原とはどんなところか」を金さん&和さんは自分たちの目で確かめておくことにしました。それはそれでミズバショウの時季にまた訪ねる楽しみが残るのですから。
はじめは日帰りも考えたのですが、「それでは金さんがきついのでは?」と和さんが心配するので、11日(月)に日光の霧降高原にあるホテルジャパン日光に泊まり、12日の朝9時頃にホテルを出発しました。
高原のドライブは快適でしたね。栃木県日光市から群馬県沼田市まで、奥日光を抜けていく国道120号は、「日本ロマンチック街道」と呼ばれています。いろは坂、中禅寺湖畔、戦場ヶ原、金精峠などの景色も良く新緑が真っ盛りの中のドライブは最高でした。